出会いと歌が思い出させてくれた音楽のよろこび

音楽の始まりは技術ではなく「感動」
音楽に触れて、
ワクワク、ドキドキ、楽しい!!
涙が出るほど心を揺さぶられる・・・。
誰しもそのような経験があると思います。
音楽を聴いた時に湧き上がる自分の気持ちや感動・・・
演奏に向かうとき、私はそれを何より大切にしてほしいと考えています。
前回、
なぎさ音楽教室では、歌うことを大切にしたレッスンで
「感動する・創造する・自信がつく」子になる、と書きましたが、
なぜそのような考えでレッスンをするようになったのかについて、自身の経験を踏まえて書かせていただきたいと思います。
大好きだった音楽を楽しめなくなった経験
私は4歳からピアノを始めました。
小さな頃から弾くこと、歌うこと、踊ることが大好きで、
小学2年生から在籍した合唱団ではみんなで力を合わせて一つの音楽を作る喜びに目覚めました。
小学校3年生の時、ご縁あって参加したピアノコンクールがきっかけで
ピアニストとして活躍されていた佐々木伃利氏に師事することになりました。
ソロやオーケストラとの共演の他、室内楽も積極的に演奏されていた先生の
“華やかで、自由で、夢のような”
演奏に魅了され、音楽の道を志すようになりました。
その後中学からは音大名誉教授の高名な先生につき、毎回2.3時間に及ぶ厳しいレッスンを受けました。
先生はその頃80代、
ご自分の全てを伝えようとして下さる熱意を中学生ながらに感じ、一生懸命レッスンに向かいました。
しかし、最初の1小節でレッスンが終わるほどの細かい指摘に、
頭が飽和状態になってしまう事もよくありました。
そして、頑張ろうとすればするほど、
いつしか先生が言われる通りに正確にきちんと弾くことだけに囚われてしまうようになり、
純粋に音楽を楽しむ心を見失い、自信が持てない時期が長くありました。

「あなたのピアノは乾いた音がする」
「入れ物は綺麗だけど、中身がない」
そのように評価されることもあり、傷つきながらもどうしてよいのかわからず、
ずっと暗いトンネルの中にいるようでした。
出会いと、歌との再会が転機に
弾くことが苦痛になっていた大学生の頃、友人に誘われて参加した声楽伴奏講座で、
オペラ歌手の小林久美惠氏と出会います。
もともとピアノ科出身でらした氏が、オペラの伴奏者を育成するため開かれた講座でしたが、
初めて受講した時、仰る事がとても自然に自分の中に響いたことを覚えています。
そして、もともと人と演奏することが好きだったこともあり、
オペラ伴奏を勉強したい、と同氏の門を叩きました。
「伴奏をするなら歌を知らなくちゃね」
と師匠に言われたことをきっかけに、
伴奏法と共に、歌もレッスンしていただくことになりました。
もともと大好きだった歌。
師匠と、「歌」にふたたび巡り会えたことが私の転機になりました。

「歌うように」
それまで何千回、何万回とレッスンで言われてきた言葉ではありますが、
「歌うように」とはどういうことなのか、わからなくなっていました。
でも、幼い頃はそれが自然にできていた自覚があり、今は一体何が違うのだろう、、と。
しかし、歌ってみたらその答えは簡単でした。
歌はブレスをしないと声が出せません。そして、ブレスには限界があります。
ブレスをして歌い始め、自然な所でまたブレスをすると、それがそのまま音楽的な呼吸やフレーズになる。
フレーズをどう歌いたいかという事も実際歌ってみると客観的に感じることができる。
答えはとてもシンプルでしたが、歌うことによって実感できたことは私にはとても大きなことでした。
振り返ってみれば、子どもの頃は自然に、
「呼吸をして、歌って、弾いていた」のです。
また、工藤式発声による正しい発声技術を学ぶうちに、
ピアノで音を作り出すことと、声を出すことの意識の共通点に気がつきました。
伴奏法において師匠から叩きこまれたのは、
- 音楽のスタイルをつかむこと
- いつも、Passion(パッション)がある音楽をすること
特にパッションは、自分の感動から生まれるということでした。
形だけ綺麗に整えることが得意になってしまっていた私は、
「感じる前に弾かないの」
と何度言われたかわかりません。。
でも、師匠が目の前で弾いて下さる、まさにパッション溢れる素晴らしい演奏にはいつも感動し、
幼い頃音楽に出会って、ドキドキワクワクした気持ちを思い出しました。
そして、ドラマがそのまま音楽になっているオペラ音楽を学ぶ中で、
ピアノ曲に作曲家が託したドラマを感じ、表現することの楽しさ、
まさに「ピアノで歌う」喜びを取り戻すことができたのです。
感動から、自分を表現する喜びを
演奏には、練習、読譜、演奏テクニック、音楽の背景や形式を学ぶ・・・など、様々なことが必要ですが、
素直に自分の心から湧き上がって来る感動は、それらに向かう原動力になります。

誰かに言われたからではなく、
「私も(ぼくも)、かっこいい演奏がしたい!!」
「この曲が弾きたい!!」
「表現したい!!」
自分がそう思うから、頑張れるのです。
世界には様々な音楽があります。
豊かで、深い、音楽の世界。
子どもたちにはたくさんの素敵な音楽に出会い、その時自分が感じることを大切にしてほしい。
そして、自由に自分を表現してもらいたいと思っています。
自分を表現する喜びを感じ、受け取ってくれる人がいることは自信となり、
さらに新たな挑戦を生み出す創造力となります。
音楽を通して、自分を豊かに育んでゆける場所となりますように。
そのお手伝いができたら、という願いを込めてレッスンをしています。
藤沢市辻堂・なぎさ音楽教室のレッスンにご興味をお持ちの方は、どうぞお気軽にお問合せ下さい。




